ムドラーとは身体の生命力に変化を起こす力を持った象徴的な手印、しぐさ、体位のことです。ムドラーは“封印”を意味するサンスクリット語で、プラーナを身体の様々な部位に導きそこにエネルギーを封じ込めて活用できるようにします。また、それぞれのムドラーには特定の働きと象徴があり、ムドラーを行うとその働きと象徴が持つ意味を封印し意識にも強く働きかけます。今回は体・心・精神というテーマでそれぞれに効果的に働きかける3つのムドラーを3回に分けてご紹介します。
”体” ワーユムドラー
ワーユはサンスクリット語で風を意味しています。風のエネルギーは人間の体内で動きや循環を担っているとアーユルヴェーダでは考えられています。このエネルギーが増えすぎることで関節痛や神経痛、頭痛などの痛みを伴う症状やリウマチ、膨満感、焦燥感、不安感、落ち込みなど多数の症状が身体や心に表れます。手の指はそれぞれ宇宙を構成する要素である五大元素に対応しています。親指が火、人差し指が風を表すこのムドラーは火が風を圧倒し、風のエネルギーを鎮めることで体内のエネルギーバランスを保ちます。
≪やりかた≫
両手の人差し指を曲げ親指の付け根に置きます。親指を軽く曲げ人差し指の上に優しく置きます。残りの三本の指は自然に伸ばしておきます。風のエネルギーが増えていると感じたら、毎日3回15分間ずつこのムドラーを実践してみましょう